企業データベース統合:ODA X8-2 & Oracle 19cで実現するコスト効率化とグリーンIT

本ケーススタディでは、16台のスタンドアロンOracleデータベースを2台のOracle ODA X8-2アプライアンスに統合し、Oracle 19cマルチテナントアーキテクチャを活用して、お客様のデータセンターのスペース最適化、Oracleライセンスコストの削減、二酸化炭素排出量の低減を支援した事例を詳述します。

背景

ある大企業のデータセンターでは、数十の重要なビジネスアプリケーションが稼働しており、それらは16の個別のOracleデータベースによって支えられていました。事業の拡大に伴い、この分散したデータベース構成は多くの課題をもたらしていました。物理サーバーのフットプリントが大きいため、データセンターのスペースが圧迫され、電力および冷却コストが高騰していました。さらに、各データベースに対して個別のOracleライセンスを維持することは、大きな財政的負担となっていました。お客様は、これらの差し迫った課題に対応するための最新ソリューションを早急に必要としていました。

主な課題

お客様の目標は明確でした。ITインフラを最適化し、大幅なコスト削減を達成し、企業のグリーンで持続可能な開発戦略に沿うことでした。プロジェクトの主な課題は次のとおりです。

  • インフラのスプロール化: 16のデータベースが複数の老朽化したサーバーに散在しており、管理が複雑化し、貴重なデータセンターのスペースと電力リソースを消費していました。
  • 高い運用コスト: 高価なOracleライセンス料、ハードウェアの保守費用、上昇する電気代の組み合わせが、重いIT運用負担となっていました。
  • 移行リスクとビジネス継続性: 16の稼働中データベースを、オンラインサービスに影響を与えることなく、安全かつスムーズに新しいプラットフォームに移行することは、重要かつ複雑な課題でした。
  • 将来への対応: 新しいプラットフォームは、現在の問題を解決するだけでなく、将来のビジネス成長をサポートするための堅牢なパフォーマンスとスケーラビリティを提供する必要がありました。

データベース統合アーキテクチャ

Goodwaysのソリューション

お客様の信頼できるテクノロジーパートナーとして、Goodwaysはソリューションの評価、アーキテクチャ設計から移行、実装まで、エンドツーエンドのサービスを提供しました。

  1. 包括的な評価と計画: 私たちは、お客様の既存の16のデータベースのワークロード、パフォーマンス要件、アプリケーションの依存関係を含む詳細な分析から始めました。この分析に基づき、ハードウェアベンダーと協力して徹底的な概念実証(POC)を実施し、Oracle Database Appliance(ODA)を中心とした統合ソリューションと、綿密に作成された移行計画を推奨しました。

  2. 最新の技術アーキテクチャ: 私たちは、2台のオールフラッシュOracle Database Appliance (ODA) X8-2システム上に構築され、Oracle 19cマルチテナント(CDB/PDB)アーキテクチャを活用したソリューションを設計しました。
    • ODA X8-2アプライアンス: Oracleデータベースに最適化されたエンジニアドシステムとして、ODAは卓越したパフォーマンスと信頼性を提供します。その高密度でオールフラッシュの設計は、統合されたデータベース環境のための強力な基盤を提供しました。
    • Oracle 19cマルチテナントアーキテクチャ: これが統合のコア技術でした。16の個別のプラガブルデータベース(PDB)を単一のコンテナデータベース(CDB)に「プラグイン」することで、効果的な分離を維持しながらリソース共有を可能にしました。このアーキテクチャは、管理を劇的に簡素化し、Oracleライセンスコストを大幅に削減します。
  3. 専門的でシームレスな移行: プロジェクトのライフサイクル(2022年4月から2022年11月)を通じて、私たちは移行作業の円滑な実行を確実に進めました。お客様のエンジニアと緊密に連携し、慎重に計画された段階ですべてのデータベースの移行・テスト・本番稼働を行い、エンドユーザーに影響を与えることなくシームレスな移行を保証しました。

この最新アーキテクチャの導入により、組織全体にわたって具体的かつ戦略的なメリットがもたらされました。

プロジェクトの成果

このプロジェクトの成功を通じて、Goodwaysはお客様に多面的な価値をもたらしました:

  • 大幅なコスト削減: マルチテナントアーキテクチャによるライセンス統合により、Oracleソフトウェア料金が大幅に削減されました。サーバー数は十数台からわずか2台のODAに減少し、ハードウェアの保守費用、電力、冷却コストが大幅に削減されました。
  • データセンターのスペース最適化: このプロジェクトにより、以前占有されていたラックスペースの80%以上が解放され、将来のIT拡張のためのスペースが生まれました。
  • グリーンITへのコミットメント: エネルギー消費の大幅な削減は、お客様がデータセンターの二酸化炭素排出量を削減するのに役立ち、環境、社会、ガバナンス(ESG)目標を強力にサポートしました。
  • 運用効率の向上: 16の別々のデータベースの管理から単一の統一されたプラットフォームへの移行により、DBAチームの日々の運用負荷が大幅に軽減されました。
  • パフォーマンスと信頼性の向上: 最新のOracle 19c長期サポートリリースと高性能オールフラッシュODAハードウェアへのアップグレードにより、業務システムの安定かつ効率的な運用が今後も長期にわたり保証されます。